アパレル会社にいた頃、
自分がただのコマに過ぎないことはわかっていたつもりだったけど、
それでも仕事を覚えていくうちに、
「私がいなかったら困るんじゃないか?なくてはならない存在になったかも?」
と自分を過信してしまっている時期があった。
そんなちょっと勘違いが入ってる頃に、
事務所にいる上司が、何かをゴソゴソしてるのを見た。
私:「何をしてるんですか?」
上司:「え?あぁ、次の人事考えてるねん。私の担当の店舗のスタッフ、全部シャッフルしたろと思って。」
と言って、スタッフの名前が書かれた札を、
店舗名が入った四角の中に入れていっていた。
なんかゲームでもしてるかのように・・・
違う店舗に異動になることって、
一緒に働くスタッフが変わるのはもちろんだけど、
顔を覚えてくれたたお客さんとも離れることになるし、
もちろん通勤距離とか時間とか物理的な面も変わるし、
心とか体の負担が大きい出来事の一つだった。
でもそれが、あんな風にゲーム感覚で、
まさにコマのように動かされてるのを見て、なんかショックだった。
さらにそのあと、ある程度の年齢(30を超えたくらい)になると、
「歳くってるから使えない」
と言わんばかりの扱いをされ、たらい回しになってる人をたくさん見て、
「自分もいつかそんな扱いをされるのかも?」
と思うと、怖くなった。
で、その後はと言うと、
あの時ゲームのように、札を作って私たちの人事を決めてた上司は、
結構大変なところに行かされ、
というか(たぶん)飛ばされ、わりとひどい扱いをされてた。
結局その人も、ただのコマの一つに過ぎなかったってこと。
因果応報という言葉どおり、やはり返ってくるもんだと思う。
そういう扱いをしていたら、いつかそういう扱いをされる。
逆にちゃんと頑張ってたのに、そういう扱いをされて辞めて行った人は、
次の転職先ですごく大切にされていたりする。
組織にいれば、コマの一つであることは当然で、
その仕事をする代わりはいくらでもいるかもしれないけど、
その人の代わりはやっぱりいないし、無くてはならない存在だと思う。
変な勘違いをして過信さえしなければ、ちゃんと見てる人は見てくれている。
もし今辛い状況にあったとしても、それがずっと続くことなんてなくて、
必ず抜ける時は来るし、絶対に誰かが見てくれていると思う。
私の経験でのことなので、たいした経験数ではないかもしれないけど、
ふり返る限り、そう思えることが多い。
やっぱり「お天道様は見ている」んだと思う。